因果応報
釈迦の説かれた 『因果経』 には、『過去の因を知らんと欲すれば、現在の果を見よ。未来の果を知らんと欲すれば、現在の因を見よ』 とあります。
仏教では、どんなことにも必ず原因がある、原因なしに起きる結果は、万に一つ、億に一つもないと教えられています。
では、幸福や不幸は、何によって決まるのか。一番知りたい運命の、原因と結果の関係は、 「善因善果、悪因悪果、自因自果」 と説かれています。
「善因善果」とは、善い原因は善い結果、「悪因悪果」とは、悪い原因は悪い結果を引き起こす、ということです。
善いタネをまいて悪い結果が起こることもなければ、悪いタネをまいて善い結果が現れることもありません。
例えでいうと、ダイコンの種をまけばダイコンが出てくる。スイカの種をまけばスイカが出てくる、ということです。ダイコンの種をまいてスイカが出てきたり、スイカの種をまいてダイコンが出てくることは絶対にありません。まいた種と同じものしか生えてこないのです。
次に「自因自果」とは、自分のまいたタネは、自分が刈りとらなければならぬ、ということです。ここで、「タネ」といわれているのは「行い」のことであり、「結果」 とは 「運命」 のことです。
幸福という運命は、善い行いが生み出したものであり、不幸や災難という運命は、悪い行いが引き起こしたものなのです。
善いのも悪いのも、自分の運命のすべては、自分のまいたタネが生み出したものですよ、と仏教では教えられています。
「過去の因を知らんと欲すれば、現在の果を見よ」 過去のタネまきを知りたければ、現在自分が受けている結果(運命)を見なさい、ということです。
「未来の果を知らんと欲すれば、現在の因を見よ」 未来にどんな結果(運命)を受けるのか知りたければ、現在の自分のタネまきを見なさい、ということです。
人を憎み、愚痴の心で暮らしていては、未来は、ますます暗くなります。現在、苦しい目に遭っているからこそ、心を入れ替えて善いことをしていかなければなりません。 そうすれば、必ず未来は変わるのです。