職人
昔の職人は、気コツがあったと良く聞きます。
一度請けた仕事は、損をしてもきちんと仕上げたという。
今の職人は、値切ると愚痴をこぼし、手抜き工事を平気でする。
これでは、監督は現場に付っきりでないと良い家にならない。
でも、朝から晩まで付いている事はできないので、ある程度は信用するしかない。
だから、工程ごとに途中の検査が重要になってくるのです。
なぜなのかと考えると、昔は優秀でも経済上の理由で高校や大学に行けない人がたくさんいました。
そういう人が職人の中にたくさんいたので、腕の良い真面目な職人がいっぱいいたのです。
今は経済上の都合でなく、勉強が嫌いな人が職人になっている方が多いような気がします。
それらを教育するのは、大変難しい事なのです。
時代の流れか、ちょっと厳しい事を言うとすぐに辞めてしまう。
だから、ガラス玉に触れるように教えていかなければならない。
しかも、半人前でも給料を出さなければ誰も働かない。これが現実です。
こんな状況だからこそ、工場でつくるプレハブ住宅の方が、信頼性があるのかもしれない。
現に、昔のように精度良く仕上げる職人は、なかなか少なくなったような気がします。
でも家は、新建材や接着剤だらけの家ではなく、自然素材の桧や杉を大工によって加工した、本物の家を求める人が増えている事も現実です。
こんな状況の中で、これからは腕の良い真面目な職人を捜すのは大変な時代になりそうです。
でも、それらを求めるお客様がいる限り、私たちは職人教育にもっと力を注いでいかなければなりません。