100年住まえる家づくりの秘訣
恵まれ過ぎた環境で育った子は、ちょっとしたことで病気にかかったり、環境が少し変わるだけで下痢やアトピーになってしまいます。「家を建てて虚弱体質な子をつくっている」ようなもの。これではたくましさや感性、創造力が育つはずがありません。
本来、生物は保護すれば保護するほど弱くなってしまうのが大原則。野生の猪が人間に飼われたことで豚となって、抵抗力を無くし、暑さですぐ死んでしまう体質になったように。断熱材ですっぽり包まれ、冷暖房、除湿,換気で快適な生活を楽しめる家づくりが現在の主流です。
しかし、断熱材が普及し始めてまだ40年以下。30年くらい前の建物を壊すと断熱材はボロボロ。現在の断熱材が50年以上も持つ保証はどこにもないのです。断熱材に対する歴史の判定はまだ下されていません。さらに最近は、化学物質汚染証問題、その対策としての24時間換気の義務付け、何かが間違っているようです。
「高断熱で気密性が高く結露せず、、夏涼しく冬暖かい家づくり」は大切です。しかし、100年住まえる家をつくるのなら新建材や機械だけに頼った人工的な環境の家をつくるのではなく、何千年もの間、自然の恵みにより生かされてきたことをかんがみ、それを一番大切にした家づくりをしましょう。伝統的な建築の長所を現代風に生かし、そこに現代の文化の知恵を取り入れ、仮に断熱材や冷暖房機器が使えなくなっても家自身が夏涼しく、冬暖かいつくりにしておくことが大切です。